公示地価からみる相続額

毎年3月下旬に国土交通省より「公示地価」が公表されます。「標準地」として指定された地点の地価を不動産鑑定士が評価したものです。評価は最有効使用と呼ばれる、最も経済的に土地を有効活用した場合を仮定して行われます。

4種類の地価

実際の土地取引の結果である「時価」とは厳密には一致しませんが、公開されている情報で「時価」に最も近い金額となります。この公示地価を参考として、固定資産税評価額と相続税で用いられる路線価が決定されます。固定資産税評価額は公示地価の7割程度、路線価は8割程度とされます。

名称内容公示地価との比率
実勢価格(時価)周囲で実際に取引されている価格取引が活発な場所では110%~120%程度とされる
公示地価国土交通省が公表した地価
固定資産税評価額各自治体が固定資産税の徴収に用いる評価額70%程度
路線価国税庁が相続税の徴収に用いる評価額80%程度

近所の地価から相続税を考える

近所の公示地価の80%程度の金額が3,600万円を超えてしまっている場合は、相続税の申告義務者に該当する可能性が高くなります。浦和税務署管内のさいたま市中央区、桜区、浦和区、南区、緑区における公示地価とそれに80%乗じた金額を見てみましょう。住宅地に絞った78か所を掲載しています。

標準地公示地価(円/㎡)公示地価の80%
中央区下落合2-4-16370,000296,000
中央区本町西4-16-21231,000184,800
中央区鈴谷7-10-5307,000245,600
中央区大戸4-7-12411,000328,800
中央区下落合4-3-10328,000262,400
中央区上落合5-9-20-1349,000279,200
中央区本町東6-5-9295,000236,000
中央区円阿弥4-1-30169,000135,200
中央区新中里1-10-15329,000263,200
中央区本町東2-8-7368,000294,400
中央区桜丘1-6-7169,000135,200
中央区大戸3-12-17338,000270,400
中央区上落合9-10-20452,000361,600
中央区鈴谷3-2-12321,000256,800
桜区大久保領家字中作田563番32外145,000116,000
桜区栄和2-19-4153,000122,400
桜区白鍬字猿ケ谷767番5145,000116,000
桜区西堀2-6-6267,000213,600
桜区道場2-18-33133,000106,400
桜区田島8-14-24167,000133,600
桜区田島4-18-37256,000204,800
桜区神田字作田148番3140,000112,000
桜区中島3-12-21198,000158,400
南区白幡2-7-11400,000320,000
南区南浦和3-13-13412,000329,600
南区太田窪字善前南3211番189,000151,200
南区神明1-6-15414,000331,200
南区太田窪4-8-5256,000204,800
南区大谷口字細野990番5220,000176,000
南区文蔵3-34-16307,000245,600
南区別所3-23-12427,000341,600
南区四谷1-10-15250,000200,000
南区辻6-2-23296,000236,800
南区辻1-30-4304,000243,200
南区太田窪字不動入2244番46221,000176,800
南区鹿手袋4-9-4371,000296,800
南区松本1-10-6147,000117,600
南区内谷5-5-25254,000203,200
南区鹿手袋7-3-12334,000267,200
南区別所1-5-7435,000348,000
南区内谷7-6-22269,000215,200
南区大谷口字向原5047番182,000145,600
南区沼影1-18-13447,000357,600
浦和区本太1-18-21401,000320,800
浦和区岸町3-1-19590,000472,000
浦和区元町1-17-8393,000314,400
浦和区瀬ケ崎5-22-4199,000159,200
浦和区大東3-32-9202,000161,600
浦和区皇山町17-13253,000202,400
浦和区針ヶ谷2-13-12350,000280,000
浦和区前地2-10-25481,000384,800
浦和区北浦和1-5-12428,000342,400
浦和区本太5-39-26328,000262,400
浦和区東岸町18-18421,000336,800
浦和区上木崎2-13-15396,000316,800
浦和区高砂4-19-8426,000340,800
浦和区常盤7-16-17437,000349,600
浦和区領家2-7-16315,000252,000
浦和区領家7-14-3316,000252,800
浦和区針ヶ谷1-7-17371,000296,800
浦和区木崎4-4-6196,000156,800
浦和区岸町4-14-17635,000508,000
浦和区高砂2-2-61,440,0001,152,000
緑区大間木3丁目33番3184,000147,200
緑区三室字大古里636番25143,000114,400
緑区東浦和4丁目17番4259,000207,200
緑区原山4-23-12204,000163,200
緑区東大門3丁目16番4244,000195,200
緑区大門字東裏2873番7143,000114,400
緑区中尾字中丸3060番1175,000140,000
緑区三室字西宿1356番4151,000120,800
緑区大牧字梅所1470番6143,000114,400
緑区大間木字附島1655番6197,000157,600
緑区道祖土4-27-2193,000154,400
緑区原山2-12-4288,000230,400
緑区大崎字松原前2806番1外60,70048,560
緑区太田窪3-2-16284,000227,200
緑区美園5丁目36番29237,000189,600

2階建ての戸建で多い100㎡(約33坪)の宅地を保有している場合、宅地だけで3,600万円を超える標準地は以下の5か所です。

標準地公示地価(円/㎡)公示地価の80%左に100㎡を乗じた金額(円)
中央区上落合9-10-20452,000361,60036,160,000
浦和区高砂2-2-61,440,0001,152,000115,200,000
浦和区岸町3-1-19590,000472,00047,200,000
浦和区岸町4-14-17635,000508,00050,800,000
浦和区前地2-10-25481,000384,80038,480,000

前回のコラムで提示したように、平均的な相続財産のうち、宅地は23%を占めます。78か所の標準地のうち、公示地価が77番目の桜区道場の場合、公示地価が133,000円/㎡、その80%は106,400円となり、100㎡換算では1,064万円です。これが相続財産全体の23%を占めると仮定すると、相続財産全体は4,600万円となります。法定相続人が2名以下の場合、相続税申告が必要になります。

土地から考える相続税

親子であっても、親に「預貯金をいくら持っているか」と確認するのは憚られることも多いでしょう。一方で、土地に関してはその保有は自明です。土地の権利関係を示す不動産登記情報は登記情報提供サービスよりオンラインで取得することができます。料金は330円です。

不動産登記情報から面積を把握し、近所の公示地価の80%を乗じると相続税上の土地の概算評価額が出ます。基礎控除(3,000万円+600 万円×法定相続人数)からこの金額を引いた差額を、親が 預貯金や有価証券として保有している可能性があれば、相続税の申告が必要となる可能性があります。

土地の評価額の概算は外から把握できますが、預貯金の額は外からは見えません。後々のことを考えると、思い切って親に財産の額を確認しておくことも必要な行為かもしれません。